剛性という名の美学。

Z、Ninja、カタナに現行のネイキッド系車やスポーツモデル車の純正スイングアームを加工して取り付ける手法は、今ではごくあたりまえの様に行われておりますが、果たしてそのカスタム車のシャシーにおける動作能面はいかがなものなのでしょうか。寸法的なマッチングにおいて必ずしも適正だとは言えないケースがほとんどでしょう。 SCULPTUREスイングアームはSANCTUARY R.C.Mを製造する上で専用の純正指定パーツとして今日、存在しています。それは、リアルコンプリートマシンを造り上げて行く工程の中で、シャシーパーツの選択は最終的な完成度を決定するのに重要な要素を握っているポイントだと言えるからなのです。

これまで純正流用で加工、使用していたXJR1200/1300のスイングアーム。あるいは各メーカーから市販されている車種別用スイングアームに特に大きな問題があったわけではない。むしろコスト・パフォーマンスという観点から見れば、推奨できると言ってもよいでしょう。では、なぜそれらの採用をやめ、あえて専用のスイングアームにたどり着いたのか?それはやはりR.C.Mという最上級のマシンを製作する上で小さな妥協を許したくない、という造り手の想いが具現化して行った為だからなのでしょう。

オートバイのスイングアーム長は車種により様々である。その車種ごとに、エンジンの大きさが異なるため、そのサイズの影響でおのずとスイングアーム長は、制約に縛られる傾向があります。Zやカタナ達に限って言えばエンジンサイズが大型なゆえに純正スイングアーム長は、500mm前後と短い。だから、それを長いスイングアームの物に変更するととんでもないロングホイルベース、シャシーとなってしまう。たとえばXJR1200/1300のスイングアーム長は540mm、Zephyr1100に至っては550mmとZやカタナに取りつけるにはやや長いと言わざるを得ない物なのだ。見た目上は長くスラッと伸びたアルミ角パイプがリアホイルをとらえた立ち姿となる為、カッコは良いのだが、ここまで長いと、ナチュラルなハンドリングはもちろん、シャープでコンパクトな旋回性は低下してしまう。それならばZやカタナに本来、ついていた純正スイングアーム長500mm前後の物にすれば良いのでは?と思う所なのでしょうが、いざ500mm長のアームで走行してみると以外にもリア周りの接地感が薄い事に気がつきます。特にホイルを17インチ化したカスタムマシンにその症状はよく表れます。

そもそも17インチホイル化チューニングの1番の利点と言えば、18インチタイヤでは味わう事のできないハイスペック17インチラジアルタイヤの恩恵を手に入れる事がかかって始めてその真価を発揮するという一面を持っている為、スイングアームのレバー構造上、より長いスイングアームの方が発生するトラクションを感じ易い状態になるわけです。純正同様の500mm長レベルのスイングアームではわずかに長さが短くて17インチラジアルが要求してくる荷重をかせぎきれないでいる。ここらへんに関しては、とにかくマッチングが悪いとしか、表現のしようがないのです。

Z、カタナ等のR.C.Mではホイルを17インチ化するケースも多く、だいぶ以前はマッチングの悪いリーチのスイングアームを採用して来ました。街中などを軽く流す程度の走りだけなら体感しにくい面もあり、妥協してきたのは確かです。しかしながら今現在のR.C.MはSCULPTUREスイングアームを適正品とし製作する事が主流となりました。アーム長”525mm”という数値はストリートはもちろん、レーシングフィールド上からも得た様々なシャシーチューニングデーターを基に設定されたリーチなのです。ハイスペック17インチラジアルタイヤに充分なトラクションをかける。しかも、シャープでコンパクトなコーナーリング特性と、直進安定性をも追及する。その為にたどりついた1つの考え方というのが、車種別用スイングアームではなくホイルのインチ径やタイヤの種類別スイングアームにするという考え方に至ったと言うわけです。

SCULPTUREスイングアームは完全なるR.C.M専用のパーツです。R.C.Mのクオリティーをより追及して行った時、SCULPTUREのスイングアームはおのずと欠かすことのできない逸品となったのです。

リアタイヤにより大きなトラクションをかけたい、という考えから設定したスイングアーム長。短いスイングアームによるショートホイールベースのメリットよりも、ある程度の長さを持たせることで得られるコントロール感(操縦感)にウェイトを置きました。

一般的なチェーン引きのストロークよりも10mm多く設けてあり、様々なファイナル変速に対応。チェーン長の調節によるホイールベースのセッティング目安としての使用も可能。

従来通りのニードルベアリングに加えラジアルボールベアリングをサークリップで固定。ピボットシャフトに高トルクをかける事が可能。取り付け後ガタのない点も魅力の一つ。

硬質樹脂を立体的に削り出したチェーンスライダ。大幅にオフセットされたチェーンラインにも対応する、剛性のあるスライダ。Z及びカタナ用のみ採用。

スイングアーム本体の基本寸法は1種類となっており、幅及び長さといった寸法を指定してご注文いただく事はできません。
またリアサスマウントの位置の数値に関しては、フレームに合わせて指定していただく必要がありますので、下記「リアサスマウント取付け数値指示書」を参照頂いた上、数値をご指定ください。