相変わらず暑い日が続いております。あまりの暑さにウチのクロはすっかりダレきっています。
ネコにはエアーガンが無いのでツラそうです。
さて今回はこの所増えつつある問い合わせの1つ、Z系に180サイズのリアタイヤを入れる
祭に必要な作業のお話でもする事にいたしましょう。
極太のリアタイヤ、迫力のリアビュー。スタイルだけで無く最新のハイスペックラジアルに
しかない高性能フィールをも堪能できる!と言う事で、人気メニューの定番です。
タイヤは近年大きく進化を遂げました。各メーカーは17インチをメインに日々開発を続けて
いますから、おのずと高性能タイヤは17インチに集中しがちです。18インチタイヤの
シンプルなルックスも捨てがたいのですが、ここ一番のグリップ性能、コーナーリング特性、
直進安定性は17インチタイヤに軍配が上がります。それらの恩恵にあやかりたいと、Zを
17インチ化するライダーの数は以外にも多く、ウチでは今もその作業に追われています。
当然タイヤサイズはフロント120、リア180に人気が集まるのですが、このリア180化。
なかなか一筋縄では行きません!「いやぁ~何とかなったよ」とか「チェーンライン出ました」
とか、よく聞くんですけど実はこれが「ん?ん~…」って感じの車両で、結構多く見かけます。
180タイヤの実測値は銘柄によって多少異なりますが大体182~184ミリ位。
対してZのフレーム・ピボット周辺の左右幅は238ミリ。リアタイヤを車体センターに
キッチリおいた場合、238ミリー184ミリ=54ミリとなります。
この54ミリこそがフレーム幅からタイヤ幅を差し引いた、左右すき間の数値です。
左右だから2で割ると27ミリ。この27ミリのすき間をドライブチェーンが通るわけです。
使用されるチェーンは530のシール入りで、そのドライブチェーンの幅はどうか?と言うと
約26ミリ。 先ほど算出した27ミリのすき間に26ミリ幅のチェーンが通る…えっ?
絶対あたるよね…これで走ったらチェーンが…フレームの内側とタイヤに絶対あたるよね(涙)
そうです! Zに180タイヤを入れ、530シールチェーンを使うと、フレームの内側や
タイヤのサイドウォールにチェーンが「これでもか!」っていう位、ガンガンあたるのです。
「でも15ミリのオフセットスプロケを使ってるから」とか、そんなのはカンケーありません。
実測で180ミリ以下の幅の180タイヤにでもしない限り、絶対あたっちゃいます!
これはZ-1やZ1‐R,MK‐Ⅱはもちろん、Z1000J/Rでも同じです。
リアタイヤをキッチリとセンターにもってくれば、皮肉にも絶対にあたっちゃいます。
そんな訳でウチではフレームの内側を加工し、チェーンラインの通過軌道を造っています。
通過軌道を設け、もう少しオフセット量の大きいフロント・スプロケを使い(最低17ミリ以上)
それに合わせてリヤ側スプロケットハブ面も整列させ、アライメントを決めているのです。
ではそのフレーム側の加工とはどの様な加工なのか?こんな風になります。(見えます?)
ん~醜い、いや間違えた!見にくいですねー。何分にもせまいトコなもんですから…(汗)
チェーン軌道を確保する為の加工、「インライン処理」と呼んでいます。
では次回、その全貌をお見せいたしましょう!(ってちょっと大げさか?)