こんばんは、サンクチュアリー本店の中村です。
少し日が経ちましたが、数日前に行われたスタジオ撮影での3台目のマシンを
お見せしたいと思います・・・
撮影は引き続き 富樫カメラマン!
最後を飾る、このマシンをご紹介しましょう。
S・I さんの RCM USA A16R‐005です。
このRCM A16は もう皆さんもご存知かと思います、空冷Zをベースに
オリジナルフレーム化したマシン。
サンクチュアリーが誇るオリジナルフレームは 前後17インチホイールに
特化したジオメトリで設計されており、17インチホイールがベストマッチ
されたローリングシャシーは 現行マシンレベルの運動性能を発揮・・・
空冷Z系RCMの優れた走行性能は 既に沢山のオーナーさん達が体感済みだと
思いますが、このA16はそれを更に超越した性能で、スポーツバイクとして
磨きの掛かったハンドリングは乗れば誰しもが体感できる、これまでとは全く
異なった別次元の世界感を知る事になります。
フレームピボットはSS400から総削り出しと言う、およそ一般的ではない
贅沢な製造方法を取ったもので、裏側を丹念に肉抜きされたピボット本体は
構造的に能率の良いリブを立てた形状で 高い剛性を実現・・・
総削り出しである事から 左右のピボット自体がフレームの治具を兼ねるもので
精度の高いフレーム造りに大きく貢献しているピボットでもあります。
また、Z系フレームのピボット位置より10mmローダウンさせている設計で
17インチ化の際に不足するリアの車高を スイングアーム垂れ角に頼る事なく
適正な車高に設定する事を実現・・・
ピボットシャフトもノーマルのφ16からφ20へ大径化し、A16専用として
クロモリ中空製のピボットシャフトを採用しています。
元々のKZ1000エンジンは一端全分解をし、ガンコート塗装を施した後
改めて精密内燃機加工のフルコースで組み上げられたもの・・・
クランクシャフトは一端圧入を分解してベアリングを交換するリビルドを施し
位相を修正したフェーズバランシング仕様で、このメニューを行った事から
エンジン振動は大きく低減・・・
シリンダーヘッドは角型にしたいと言う事で MK‐Ⅱのヘッドに交換しました。
内蔵されたスリッパークラッチKITは純正部品を流用して組み込んだもので
S・Iさんが最も欲しているテーマ【乗り易さ】を追求する上で スリッパー
機構はどうしても欠かせないものですから、これだけは絶対必要!と言う信念
めいた想いさえ感じさせられました。
エキゾーストはナイトロレーシングのトップラインナップ、ウェルドクラフト
チタンEXで 二次エアー供給構造を追加し、未燃焼として残った排気ガスを
より完全燃焼させてから排出するマフラーになっています。
ひと際映える総削り出し製のフューエルインジェクション スロットルボディは
プラスアルファーさんのオリジナル品!
そのインジェクションのマップは 担当メカである誠太郎自身が入力したもので
Zレーサー3号機テイストを受け継ぐ 実用性&実戦重視型マップを、このあと
シャシーダイナモ上で煮詰めていく予定。
中村も空冷Zのフューエルインジェクションは もちろん乗った経験ありますが
キャブレターではどうしても煮詰めきれない微妙な領域を こうも打ち消す事が
できるのか・・・ と、感動させられました。
しかも自分の愛機 RCM-001は、まだマップセットが未完成な段階でして
にも拘わらず あの性能なのかと・・・ 驚かされたんです。
皆さんに「乗ってみなよ!」と、無理には進めません。
でも あれだけキャブ好きだった自分なのに、もうキャブには戻れない・・・ と
そんな風に考えているのも本当ですね。
インジェクションのフィーリングも手伝ってか、A16は本当に乗り易く
何よりその軽快さが魅力・・・
今はコロナの影響でイベントが開催されてませんが、以前はイベント会場に
A16を展示するべく メカニック達がハイエースに積み込もうとするたびに
「このバイク 転がしただけで軽いのがわかりますよ!」 と、皆口を揃えて
言っており、中村もこの軽さは単なる重量差から得られたものではない・・・
ロール軸の低さと 前後輪軸間のコンパクトさから感じる軽さであると、そう
捉えています。
完全ハンドメイドのワンオフアルミタンクは、S・Iさんが「こんな形!」と
リクエストされたフォルムを忠実に再現したもの・・・
Zレーサー3号機もそうですが、ニーグリップがし易く かつ完全オリジナルな
先鋭的形状のタンクって魅力ありますよね!
でも最近では またZ系の様に単調なラインのタンクもいいなと思い始めており
それで先日、完全なZ1-R形状のA16を造りたいと思い着いたんです・・・
セパレートハンドルでアッパーカウルは低い位置とし、タンクは1型と2型の
ちょうど中間位のサイズボリューム・・・
まさに1.5型タンクと呼べる形状で造れば、かなりカッコいいと思う! (^^)/
もう何でも造れますから(笑) ご興味ある方は是非 ご相談下さいね!
で、 このワンオフアルミタンクは ご存知な様に簡単に開閉できる構造・・・
Zレーサー3号機のタンクもそうですが、ひょいっとタンクをオープンさせて
プラグをチェックしたりと、とにかく最高のメンテナンス性を発揮するんです。
ちなみにですが、このタンクの内容量は20リットルで インジェクションの
低燃費効果も加わって 航続距離は相当長く走れる仕様なんです ♪
底部にジェルを内蔵したシートは 座り心地を配慮したこの005スペシャル。
また伏せた時のライディングも考慮して前後空間にも余裕を持たせてあります。
シャープにテールアップされたSS風シートカウルと これまたワンオフをした
リアフェンダーはS・Iさんのリクエストで、終始ニヤニヤしてました (^^;)
以前とても気に入って大切に乗っていたZ1を下取りに出し 新たなパートナーと
して選択をした RCM A16R-005・・・
Z1も凄く気に入って長く乗っておられましたが、このマシンに並ぶものなしと
言う 超越した最高峰の1台さえあればいいと言う考え方は自分も共感しました。
そのZ1を下取りに出したのが 確か2年ほど前の事ですから、2年と言う本当に
長い長い製作期間を経てようやく納車に辿り着こうとしているこのマシン。
カスタムやモディファイと言った一連の流れではなく、オーナーS・Iさんと
メカニック誠太郎の二人で バイクを一から丸々1台造り上げたとも言える・・・
そんなマシンに仕上がっています。
A16は、マフラー・フューエルインジェクション・ブレーキシステムなどを
除いて、各パーツのカラーコーディネートやポジション、外装のデザインなど
自由にカスタマイジングが出来るマシン。
最新SSマシン風も良し・・・ 空冷Zそのものの形も良し・・・
自分のイメージを具現化させて、正に自ら創造して造り上げるRCMなんです。
RCM USA A16R シリアルナンバー 005・・・
最強のシャシーを得て 空冷Zの常識領域を超えた世界完全限定の30台。
この005の完成を持って ゼロゼロ台のシリアルは残す所2台となりました。
実は016~030までの後半15台は 日本向けではなく海外のお客様用に
キープしておこうとなりまして・・・
そうすると日本で販売できる残されたシリアルは、006・009・010
011・012・013・014・015の 延べ8台と言う事になります。
ま~~~ ぶっちゃけ・・・
8台もあれば 充分でしょう (;^_^A
とにかく造るのが大変すぎるRCMですから、その位で丁度いいんです・・・
S・Iさ~ん!
大変お待たせ致しまして申し訳ありませんでした <(_ _)>
いよいよ納車までカウントダウンですからねーっ!!