こんばんは、サンクチュアリー本店の中村です。
福岡県在住 RCM-515 MK-Ⅱのオーナーである T・Oさんの奥さんが所有して
いたZ1-RⅡが、高速走行中に原因不明の出火で炎上・・・
既に息子さん専用機としてRCM-535 Z1をオーダー頂いてましたが、奥さんの
マシンを先に何とか復活させたいと、奥さん専用機 RCM-545 Z1-RⅡとして
3台目となるRCMを同時進行で承りました。
元々は白いホイールだった BITO製マグタンホイールですが、今回フロントを
ゴールドの新品で用意した事から あわせてリアもゴールドにペイント・・・
同時にベアリングやスプロケハブダンパー等の消耗部品を新品へと交換しました。
リアキャリパーを再使用する事から、洗浄&ピストンの揉み出し作業をしようと
見たところ、対向ピストンの飛び出し量が 御覧の様な状態に・・・
キャリパーがセンターに来ていなかった事から ブレーキパッド片側残量が完全に
なくなっており、急遽パッドも新品を用意・・・
今回は良い機会なので、リアキャリパーをきっちりセンターに置きましょう ♪
キャリパーブラケット外側カラーだけでなく この内側カラーも作り直す必要が
あるので、抜き取って採寸から始めます。
内側のホイールカラーは少し長いものにし、外側カラーは同量だけ短いものを
旋盤でイチから削り出してやるんですが、ここも勘だよりはNG・・・
まずはキャリパーの図面ありきで、そこから更にホイールの測定が正確に出来て
本当の数値が導けると言うもの・・・
カラーはジュラルミンA2017Sのムク棒から削り出すのですが、旋盤操作の
技巧より ここではキャリパーセンター測定技術の方がノウハウを必要とします。
ホイールカラーをアルマイト処理に出してる間、外装ペイントが上がりました。
サンクチュアリーでは もはや伝統となっているホワイトですね・・・
1999年に中村の愛機、旧RCM-001 Z1‐Rがホワイト仕様にしてからと
言うもの 当時皆さんからの評判がよく、現在の仕様 RCM A16R‐001へと
引き継がれた 伝統のRCM-001ホワイト・・・
それ以来RCM Z1‐Rは、この001ホワイトで他にも何台か製作されています。
001はストライプラインがブラック&ブルーですが、このRCM-545では
ブラック&レッドのストライプカラーを採用しました! (^^)/
さて 外装ペイントが仕上がったところで、いよいよこのRCM-545 最大の
佳境に入りましょう・・・
そもそもこのRCM-545は 炎上からの復活が最大のテーマですが、もう一つ
低い車高を実現させると言う重要な課題もありました。
オーナーが女性と言う事で、とにかく足つき性を良くしたい・・・
それもほんの少しとかではなく 劇的に良くさせるとなると、これはもういつもの
FRPシートベースでは形状や構造的に無理・・・ それなら!( ˘ω˘ ) と
これまた旧RCM-001で製作した ワンオフアルミシートで行くしかない! と
急遽メニュー変更をしたんです。
このアルミワンオフシートベースも1999年のRCM-001発表時に 沢山の
人達から相当な問い合わせを頂いたのを憶えています・・・
見た目もよく かつ足つき性が劇的に良くなるんですが 製作工程は中々大変でして
寸法の精度はもちろんの事、強度&剛性を求めつつも軽いシートに仕上げると言う
もの造りに必要とされる要素 満載のものなんで、センスが問われる所なんです。
シートベースが完成しました・・・
A5052の薄板プレートは溶接による歪が起こりやすく シビアなのもの・・・
細心の注意を払って溶接組みしています。
襷を研磨部門、菊地に託しました。
腐食防止用にアルマイト処理するのですが、その前に下地研磨をしておかないと
きれいに仕上がらないので、ここは手を抜かずに磨き上げます。
研磨後、シルバーアルマイト処理して完成した ワンオフアルミシートベース。
着座部に十時型のステーが取り付けされてるのは 乗車時にベースがしならない
様にする為の補強ブレースで、その他にも水抜きを兼ねたバーリングホールを
複数追加する事で 強度メンバーとしています。
手が込んでますが、こうしないと軽くて強いシートベースにならないんです。
RCM 最高峰のエキゾースト、ナイトロレーシング製のウェルド3Dチタン。
いやぁ~ 今回、この復活を機会に かなり凄い仕様になったと思います・・・
このペースで行けば今月10日頃には完成し、ロードテストが順調に進めば
17日~18日位にはお渡し出来る状態になってると思います! (^^)
T・Oさん、奥さ~ん!
次回は最終回は復活したZ1-RⅡの姿を、バッチリお見せしますからね~っ!
あぁ でも・・・
この前突然 福岡から来て、だいぶ出来あがってるとこ見ちゃってますね (;^ ^A